弟の受難 4 警部補の逆襲

アルバイトも終わり、弟、稼いだお金でパソコンパーツとFINAL FANTASY XIを購入。

弟の受難 4 警部補の逆襲 - 弟ニート対策室

2004/05/23UP

 さてさて、もうトラブル続きでてんわやんわの弟(大殺界3年目)なんですけれども、先日【弟の受難 3 春の交通安全週間】でお知らせしたとおり、春の交通安全週間中に時速を40Kオーバーしてお巡りさんに捕まり、一発で6点減点、免停をくらってしまいました。

 それから警察から連絡が来まして、通常は一発6点減点というと一ヶ月間の免許停止処分を受けるのですが、講習を受ければ1日だけの免許停止で済むとのこと。
 そして70,000円と思われていた罰金も、65,000との通達が来ました。

千歳:「よかったじゃん。それですんで」

 実際一ヶ月間も免許停止なんてくらってたら、職場(LPガススタンド)までの通勤手段にも事欠くし、仕事上もなにかと不便でしょうから、本当大変なことになるところでした。
 下手したらクビになっていたかもしれません。
 いくら臨時で、4月いっぱいの期限付きといっても、時給1,000円の仕事なんて高知ではそう簡単に見つかるものではありませんから、クビになっちゃったりしたらもったいない事この上ありませんでした。

 だから本当に最悪の事態はなんとか回避できたという事で、千歳もああ良かったなと胸を撫で下ろしたものでした。

 しかし電話の奥で、母は困った声で言うのです。

母:「弟もそれで喜んでたんだけどね。それがその講習代に、13,800円かかるのが分かって。もう今荒れてて手がつけられないのよ」

 ……つまり合計78,800円。
 結果的に、思ってたより出費がかさんじゃったと言うことですね。

母:「78,800円じゃないわよ」

 千歳がそう言うと、母は反論して来ました。

母:「私も捕まって罰金15,000円払ったから、93,800円よ」



 ……ダメだ(´・д・`)


 ……ダメな親子だ(´・д・`)


 とにもかくにも、そうやって濱田家が国の予算を潤している間にも、時は流れ、さまざまな場所でさまざまな出来事が起こっているわけで。

 2004年4月もついに終わり、ゴールデンウィークも半ばに差し掛かったある日、一人の追い詰められた男が、これまで自らが属し、従属していた巨大組織に反旗を翻したのです。

 下記に、一件のニュースを転載(プライバシーに配慮し、一部伏字に加工)しましたのでご覧ください。

懲戒免職不服で警部補が申し立て
 酒気帯び運転で当て逃げ事故を起こしたとして逮捕され、懲戒免職処分となった高知県警の田○作三元警部補(58)が30日、処分を不当として同県人事委員会に不服申し立てをした。田○元警部補は「飲酒運転はしておらず、最終的に立件もされていない。懲戒免職処分は不当」としている。

 県警監察課によると、田○元警部補は2月3日、酒気帯びでバイクを運転し、高知市内の交差点で乗用車と衝突。左フェンダーなどを破損させ、そのまま逃走した。高知地検は酒気帯びは嫌疑不十分とし、道交法違反(事故不申告)の罪だけで起訴したが、同課は捜査結果から飲酒運転だったと判断、懲戒免職処分にした。

[2004/4/30/18:42]
nikkansports.comより転載

 聡明なC言葉読者の方々はピンときたかと思います。
 この元警部補は、まさに弟が目撃した『署長、俺酔っ払い運転でぶつけちゃった』事件の当事者なのです!

 ゴールデンウィーク中、横浜→吉祥寺への引っ越しにいそしんでいた千歳が、ネットの接続を確認するためにパソコンを起動し、偶然開いたのがこの記事でした。

 慌てて千歳、母に連絡を取り、かくかくしかじかと記事について説明します。

 すっかり終ったと思っていた事件がまだ終っていなかったと知り、電話の奥で深刻な様子の母。

 そして出た結論は、このことは弟には黙っておこうということでした。

 今弟は、高額の罰金でただでさえ不貞腐れています。
 この上こんな不穏な記事の存在を知ってしまったら、本当に現世の事がいやになって、またひきこもり生活に戻ってしまわないとも限りません。
 それが、千歳と母の出した結論でした。
 千歳と母は祈ります。

 今後この事件がどういう風に決着していくのか全く予測がつきませんが、どうか弟が裁判所に呼び出しをくらうというような事態にはなりませんように。

 そんな中、4月が終ります。
 5月に入りましたが、弟はまだLPガススタンドで働いていました。
 怪我がなかなか治らない社員のおかげで、4月いっぱいで終了の予定だったアルバイトが、5月の一週目まで延びたのです。
 度重なる不幸の中、そんな些細な幸せにホクホクの弟が、千歳に電話を掛けて来ました。
 なんだかんだいって、弟も時給1,000円の仕事を十分ありがたい仕事とは思っているのでした。

千歳:「よかったなあ。今まで頑張って働いてきたから、短期のアルバイトの話も来たわけだしな。もらった給料でどっか遊びに行ったりしたか?」
弟:「遊びには行ってないけど、ちょっとした買い物はしたよ」
千歳:「へえ!」

 最近お金がなかった弟が買い物をするなど、久しくなかったことでした。
 千歳はすっかり嬉しくなって聞きました。

千歳:「なに買ったんだ?」

弟:「FINAL FANTASY XI(ファイナルファンタジー11)!」

 FINAL FANTASY XI(ファイナルファンタジー11)とは、有名なオンラインゲームです。
 オンラインゲームとは、パソコンとインターネットを使って、日本中――ゲームによっては世界中のプレイヤーと、コミュニケーションを取りながらプレイしていくという、非常に楽しいゲームです。
 インターネット時代に生まれた、素晴らしい形のゲームではありますが、ごく一部の、自分の世界に閉じこもりがちな人間がゲームにハマりすぎてしまい、健全な生活を送る事に支障をきたしてしまうということもあるようです。
 実際弟がひきこもる大きなきっかけとなったゲームも、『PSO』という、当時ブレイクしていたオンラインゲームでした。

千歳:「……FINAL FANTASY XI? け、けど、それをやるには、お前の持ってるパソコンじゃあ機能がちょっと足りないだろ?」

弟:「うん、だからパソコンパーツも買ったよ! あと、友達が余ったパーツをくれたし(かつてひきこもり弟にHなゲームを提供していたあの友人に違いありません!)、それでFINAL FANTASY XIもちゃんとプレイできるようになったよ♪」

千歳:「そ、そうか……」

弟:「けど、お兄ちゃんにもらったパソコンのディスプレイが、ちょっと画面が暗くてFINAL FANTASY XIがやりにくかったから、ディスプレイも買ったよ。50,000円くらいしたけど、暗い画面で目を悪くしちゃうよりは、ずっと良いよね(^^)v」

千歳:「…………」

 自分が働いて稼いだお金で、自分の欲しいものを買う。
 そういう、非常に健全な行為のもたらす喜びを久しぶりに体験した弟の声は、溌剌としていました。
 しかし、短期間の仕事が終ってみれば、インターネットとパソコンとオンラインゲームという、ある意味三種の神器的なものを手に入れてしまっていたことも事実です。

 どうか弟がこれから先、前にもまして深くひきこもったりするような事態にだけはなりませんように。

 ひきこもり。インターネット。FINAL FANTASY XI。仕事。車。罰金。警察。警部補。懲戒免職。不服申し立て。裁判。

 ああ、もう、ほんとに、なんじゃそりゃ?

このページへのコメント

1 :母の溜息 at 2005/09/11 17:07 [RES]

ふとしたきっかけで「弟ニート対策室」が目に入り、読ませて頂きました。
その後弟さんはいかがお過ごしですか?とっても気になります。
私は25歳になる息子の母です。やっとこの秋に大学を卒業できそうです。でも後が決まっていません。いったいどうしたらよいのやら、まったく見当がつきません。溜息の毎日です。息子もPCが好きでゲーム好きです。親元を離れて居るためPCを取り上げる訳にもいかず、ただ自覚を待つ毎日です。

2 :千歳 at 2005/09/12 22:50 [RES]

>>1
コメントありがとうございます。また、サイトでのご報告が遅くなってしまい申し訳ありませんm(__)m うちの弟に関しては、おかげさまでバイトだけど職につき、今は立派に働いています。詳細は本日サイトアップしましたのでごらんください。
http://www.brother-hikikomori.com/gasosuta2/20050912.html
さて、息子さんの大学ご卒業おめでとうございます。個人的には、親の子育ての義務は子供が学業を卒業するまでだと思っています。私個人の基準からいえば、お母さんは親としての務めを立派に果たされたということになります。であれば、就職が決まってようが決まっていまいが、大学卒業したら有無を言わさず社会に放り出してみるのもひとつの選択肢だと思いますよ。あとは社会の荒波が息子さんをたくましく育ててくれることでしょうから。

3 :母の溜息 at 2005/09/13 22:52 [RES]

ご助言ありがとうございます。昨日「ガソスタ再就職編」を読ませて頂き安心しました。
またその内の「親の過保護」という部分にギクッ!としました。まさにそのとうりですね。
ここ数年自分の子育てを反省する日々が続きましたが、社会の荒波に期待して放り出してみようかなと今は思っています。ちょっぴり不安ではありますが・・・
これからも、読ませて頂きます。お兄さん!いつまでも弟さんを見守ってあげてくださいね。    溜息を聞いて頂いてありがとうございました。

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Posted by 千歳 at 2004年05月23日 18:47 EDIT
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弟の軌跡

幼年時代

  • 弟、濱田家の次男としてこの世に生を受ける。
    将来現代社会のひずみをモロにその身に受けることになるとは、当時は誰も想像だにしなかった(当たり前)。

小学時代(6年)

  • 某市立小学校入学。
  • 凡庸な小学生だったが、なぜか高学年になって、学年でもトップクラスの好成績をもらいだした。
  • けれどもこんな発言。
  • 千歳と一緒に、町の空手道場に入門。週2で通う。
  • 某市立小学校卒業。

中学時代(3年)

  • 某市立中学校入学。
  • 周囲がびっくりするほど勉強しなくなり、成績は下がる一方。
  • 斜に構える傾向が強くなり、一時登校拒否に。
  • アメリカから来ていた先生に中指を立てて見せ、返す刀で親指を下に向けたことが問題に。
    そのときの先生のセリフは「オーマイガ!」だったそうな。
  • 不良グループからちょっといじめられていたらしい。
  • ぐんぐん背が伸び、千歳を軽く追い抜く。
  • 某市立中学校卒業。

高校時代(3年)

  • 某県立短期大学付属高校入学。
  • 寮生活に突入。週末と春夏冬休みだけ家にいた。
  • 農業の知識を、そのそんなに悪いわけではない頭に叩き込まれるが、いかんせん濱田家は農家ではない為、現在なんの役にも立たず。
  • バドミントンで、県大会2位に入賞したそうな。
  • 危険物処理の資格を取得したらしい。
  • 同級生の女の子(A子)に好意を抱かれるが、ストライクゾーンを大きく外れており、谷選手のようにはかっ飛ばせず、友達のまま。高校卒業後も、数年前まで実家に手紙が来ていた。
  • 某県立短期大学付属高校卒業。

短大時代(2年)

  • 某県立短期大学入学。
  • 車の免許を取得し、家から短大に通うように。
  • 某県立短期大学卒業。

ガソスタ時代(2年)黄金期

  • 危険物の知識を活かし、ガソリンスタンドでアルバイト。時給650円でこき使われる。月収15万くらい。
  • 小室哲也に傾倒。キーボードを購入し、作曲活動にいそしむ。華原朋美、安室奈美恵、globe等の曲を弾きこなす。
  • 中学校の同窓会に出席。中学時代、弟に好意を寄せていた女の子(B子)がいたことが判明。
    その夜、その女の子から猛烈なアタックを受けるが、弟に心の準備がなく、結局何もせず、電話番号さえ聞かずに帰宅。
    おのれのふがいなさを嘆く弟に、千歳、人生に役立ついくつかのアドバイスをする。
  • A子が、弟の共通の友人と同棲していることが判明。ロンリーウルフに。
  • 俺には音楽しかない。
    と思ったかどうかは不明だが、作曲活動は熱を増し、地元よさこい祭りの作曲を、複数のチームから依頼されるようになる。
    時給650円→700円に昇給。
  • 千歳、名古屋で一人暮らしを始める。
  • こき使われるのに嫌気が差したらしく、ガソリンスタンドを辞めてしまう。

本屋時代(4年)転落期

就職したらトラブルだらけ編

再び無職編

  • 臨時の仕事も終わり、再び職を失ったが新たな職を探す気配なし。
    再びひきこもりに逆戻り(T_T)
  • 巷でニートという言葉を良く耳にするようになり、ニートについて調べたところ、弟はひきこもりというよりニートに近いという結論に達す。
    そのため、今後コンテンツのタイトルを「弟ひきこもり対策室」から「弟ニート対策室」に変更することに。
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