パソコンが仇となり、弟、美少女系ゲームとエロゲーとオンラインゲームにはまり込む。
名古屋から一時的に里帰りした千歳は、二年近く顔をあわせていなかったわが弟に、
「彼女はできたか?」
と何気なく聞いてみました。やはり肉親のそういう部分――特に同姓の兄弟に対しては、どうしてもそこのところが気になるところ。
これって、誰しも同じなのではないかと思います。
しかし聞いては見ましたが、もともと千歳は弟に彼女が出来るとはあまり思っていませんでした。
なにしろ、彼女いない歴二十数年の弟です。そう簡単に彼女が出来ようはずもないのです。
いえ、悪い奴ではないんですよ。背も高いし、バファリン程の割合ではありませんが優しいところもあります。
幼い頃、飼っていた猫が死んじゃったりしたときは、弟と一緒になってわんわん泣いたりした記憶もあるし、兄の口から言うのもなんですが、けっこういい奴なんです。
ただちょっと、女の子に対してオクテというか、非常にシャイなところがありまして、自分の気持ちを素直にぶつけられないんですね。
けどまあ、人間何かをきっかけにして変わるもの。
弟が突如目覚めて、彼女どころかラマン(愛人)を数人はべらしている可能性も、まあありえないゼロではありません。
また、里帰りする数ヶ月前に千歳は、弟の性格がもっと女性に対して社交的になるように、
「これで、新しい世界に飛び込んでみろよ!」
と、余ったパーツでパソコンを組んで弟に送っていました。
シャイな弟でも、面と向かってでなくインターネットを通じてなら女の子とも普通に会話が出来るだろうし、パソコンがきっかけで彼女が出来るということもあるかもしれません。
というわけで千歳は、少しだけ期待もあって、弟に、
「彼女はできたか?」
と、聞いてみたわけなのです。
で、数拍変な間をおいて、弟から帰ってきた予想外の返事に、千歳は驚愕しました。
「……リアルでは、いない」

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